ネット通販が不可にコンビニ展開は数年後

スーパーのクスリが安い!コンビニは小分け販売で対抗
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スーパーのクスリが安い!コンビニは小分け販売で対抗

2009年6月から改正薬事法が全面施行となり、大衆薬の販売規制が緩和された。これまでは国家資格である薬剤師が店頭にいなければ販売できなかったが、改正法施行により、都道府県で試験を行う登録販売者を配置すれば、約9割を占める第2類と第3類の大衆薬を扱えるようになった。

参入のハードルが低くなったことから、コンビニエンスストアやスーパーなどの本格参入が相次いでいる。約1兆2000億円の大衆薬市場では薬局やドラッグストア間で競争が行われていたが、異業態の参入でさらなる価格下落が期待できそうだ。

たとえばイオンは09年6月から傘下のジャスコとマックスバリュで約300品目の値下げを実施している。またセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂では、6月から200品目について平均10~20%値下げに踏み切った。数量ベースで2割増と好調なため、同年7月からは対象品目を50品目ほど増やし、250品目で値下げを継続する。セブン&アイは「法改正で大衆薬への関心が高まっている。これを機に大衆薬も手頃に買えるという印象を深めたかった」と話す。

今回、価格調査を行ったところ、スーパーの安さが目立つ結果となった。特にビタミン製剤では近隣のドラッグストアに対してスーパーの価格が600円近く安い商品もあった。

なぜこれほど安くできるのか。イトーヨーカ堂は09年6月から仕入れ方法を変更していると説明する。

「当社では価格変更を週単位と月単位のパターンに分けている。6月から医薬品を月単位に変更したため、仕入れの単位も大きくなり、取引先との関係性も深くなった。また月単位になると商品の入れ替えが減り現場の負担が削減されるうえ、原則としてチラシ掲載がなくなるため販促コストも下がる。これらが値下げの原資といえる」(セブン&アイ広報センター)

対抗するドラッグストアでは価格競争以外に営業時間の拡大などを図っている。スギ薬局は約40店、マツモトキヨシは都心部の約10店で24時間営業を始めた。マツモトキヨシは「もともとドラッグストア間の競争は激しかった」として異業種の参入を冷ややかに見る。

「大衆薬の販売ではノウハウを持つ我々に強みがあり、顧客が流れるとは思えない。むしろ大手スーパーが大衆薬に力を入れ始めたことで、地場スーパーから協業の問い合わせを受けるようになった。当社をご利用いただく機会を広げていきたい」(広報部)

09年6月から新たに大衆薬の取り扱いを始めたコンビニは、風邪薬ではドラッグストアより安い商品もあったが、鎮痛剤や胃腸薬では薬局の売れ筋より小分けにした商品をほぼ定価で展開していた。なお大衆薬を扱う店舗はコンビニ各社とも数店にとどまっている。これは登録販売者の確保が難しいことが背景にある。登録販売者の受験には医薬品販売の実務経験が1年以上必要で、自前の確保が難しいからだ。店舗の拡大は数年先とみられる。

このほか改正薬事法の施行により、原則としてネット販売を含む通信販売では、風邪薬や胃腸薬といった第2類の大衆薬が販売できなくなった。経過措置として継続購入者などは2011年5月まで購入できるためネットの販売価格を調べると、実店舗より安い商品がいくつもあった。より安く買う方法として紹介できないのが残念だ。

※すべて雑誌掲載当時