飲食店は「社会の敵」のように扱われている

昨年春に続いて発令された緊急事態宣言。不要不急の外出自粛、テレワークの促進などの他、飲食店営業時間の午後8時までの短縮などが求められました。加えて「ランチも外食するな」や「特措法改正で時短営業に従わない事業者に50万円以下の過料」とするも検討されています。まるで、飲食店が社会の敵であるかのような扱いです。

新宿区の繁華街
写真=iStock.com/krblokhin
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確かに、12月に忘年会などによるクラスターも多く発生しており、そうしたい気持ちは分かりますが、果たして本当にそれしか打つ手はないのでしょうか?

春先の緊急事態宣言下で、飲食業、中でも特に、酒を提供する居酒屋などの業態の落ち込みはすさまじく、日本フードサービス協会による2020年の飲食業各業態別の売り上げをみると、4月も5月も前年同月比の9割減に落ち込みました。協力金があったとしても、売り上げ9割減の穴は到底埋まりません。

感染防止の観点からしても、飲食店の時短要請は本質的ではありません。夜8時までの営業だとしても、それまでの時間で団体客が宴会をしてしまうなら意味はないわけです。また、時短によって短い営業時間内に客が集中してしまうなら、それもまた本末転倒です。そもそも、飲食店が営業していること自体が悪いのではありません。

本質的な問題は「外食ではなく会食」です。要するに、1人で黙って食事する分には、飛沫が拡散することもなく、何の問題もないはずです。

今こそ「ソロ外食」を推進すべきだ

政府が示すべきは、飲食店への締め付けではなく、「1人で黙って食事を提供する形態なら営業してもいい」という道筋ではないでしょうか。当然、店側は感染防止対策を万全にする必要はありますが、「GoTo Solo(ソロ)外食」こそ、コロナ感染防止をしながら、経済も回すという両立が実現できるのではないかと考えます。

何も「GoToイート」のようなキャンペーン仕立てや割引が必須ではありません。各店が緊急事態宣言期間中は「おひとり客限定でやってます」という看板を掲げるだけでも、団体客の飛沫を恐れて、ソロ客が外食から遠ざかることもなくなります。

こうした内容の話は、僕自身も以前から繰り返し記事化したりしています。僕以外の方も同様のことを提言しています。ダウンタウンの松本人志さんもフジテレビ系の番組「ワイドナショー」にて、11月頃から「おひとりさまを優遇すればいい」という発言を繰り返ししています。にもかかわらず、政府もメディアもこの「ソロ外食」については、不思議とかたくなに取り上げようとしません。