近い将来、私たちを待ち受ける人間関係の変化、働き方の変化とはどのようなもので、どのように対応していけばいいだろうか。福山市立大学名誉教授の藤森かよこさんは、「クソどうでもいい仕事すら消えるかもしれない中で、これからの人々は、ほんとうに自分自身を吟味しなければならない。自分が寝食を忘れて夢中になれるものがあるのかと」と語る――。

※本稿は藤森かよこ『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』(KKベストセラーズ)の一部を再編集したものです。

夕陽に向かって繋いだ手を挙げるビジネスチーム
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信頼できる人を気長に見定め確保する

近未来は経済的にも厳しく、従来の気晴らしや娯楽は「巣ごもり系」(ゲームや動画配信、仮想現実装置系)以外は衰退する。こういう時代は、人とも会わないので、孤独感にさいなまれる。

他人と親密な人間関係を避けて自分の関心や興味に閉じこもる「回避型人類」でも、まったくのひとりで人間関係を拒否して生きることはできない。人間は社会的動物なのだから、どうしても他人との関係の中で生きていく。だから、信頼できる人を気長に見定め確保しよう。

それがたまたま肉親である場合もあれば、配偶者である場合もあれば、友人である場合もあるし、同僚だったりする場合もある。

そのためには、あなた自身が正直で誠実でいなければならない。そうでなければ、正直で誠実な人と縁を結ぶことはできない。

他人を信頼する蛮勇をもとう

やたら多くの人々と交際したがりネットワークづくりなどに懸命になる必要はない。まともな人柄で普通に生きていれば、知人のネットワークなど自然にできる。問題は、いつでもあなたを信頼し味方になってくれるような人間と、どれだけご縁を結べるかだ。

私が観察する限り、恋多き人というのは、既婚未婚問わず、ひとりの人間に自分を賭けることができない。いつでも保険をかけて、逃げ道をつくっておきたい人だ。信じて裏切られたことがあるのだろう。だから、再び裏切られた場合の傷の深さを怖がっているのだろう。気持ちはわかる。しかし、どこかで、開き直って、他人を信頼する蛮勇ばんゆうが必要だ。