「日本は規制が厳しいから自動運転の実用化で遅れている」などと言われることがある。しかし自動車ジャーナリストの清水和夫氏は「現実は正反対だ。ホンダの新型レジェンドは『レベル3』の自動運転機能を備えており、日本が世界をリードしている証左だ」という――。
輸送および通信ネットワークの概念
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高速道路の渋滞時には運転をクルマに任せられる

待ちに待った自動運転車が、正式に認可された。国土交通省は11月11日、「レベル3」の自動運転装置を搭載したホンダの高級車「レジェンド」に対し、量産や販売に必要な型式認定を行ったと発表した。

自動車のエンジニアにとっては長年の夢がかなった瞬間かもしれない。現在の市販車で実現されている衝突被害軽減ブレーキや車線逸脱防止支援などは、あくまで運転の主体はドライバーにあり、システムが人間のうっかりミスをカバーするというもの(いわゆる「レベル2」)。だが今回認可されたホンダのシステムはそれより一歩進んだもので、特定の条件下とはいえ、システムが主体となって状況を監視し、自律的に運転を行う。その意味では、本格的な「自動運転」の第一歩を切り開くものといえる。

複雑な混在交通の一般道路における自動運転の実現にはまだ時間がかかるが、高速道路であれば比較的早期に可能だとは考えられていた。今回形式認定を受けた新型レジェンドのシステムは、自動運転専用の高精度地図(ダイナミック・マップと呼ばれているもの)を搭載し、高速道路で渋滞したときの速度(時速30キロ未満で作動開始可能、時速50キロを超えると解除)に限定して自動運転を認可されたものである。

筆者は内閣府が主催するSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の自動走行システムプロジェクトの構成委員を2014年から務めてきた。そうした立場から見ると、自動運転車関連の報道の多くは期待過剰であったり、あるいは「日本は規制が厳しいから自動運転の実用化が進まない」というステレオタイプ的な主張であったりする(現実は正反対なのだが)。本稿ではファクトをしっかりと整理しながら、分かりやすく自動運転の現在地をリポートしたいと思う。