コミュニティパテントレビュー(CPR)とは、ある特許出願に関して、第三者からレビューや意見、関連資料を募り、審査官だけでは拾い切れない情報を集めることで、特許審査の精度を上げる仕組みだ。

特許審査官が集められる情報には限界がある。
写真を拡大
特許審査官が集められる情報には限界がある。

従来、特許権は、申請のあった出願について審査官が情報を集め、審査していた。ただ、審査官が集められる情報には限界があり、本来特許を与えるべきではないものにまで与えられる可能性がある。CPRは、この問題をクリアする一つの方法として注目されている。

CPRの取り組みは2007年米国で試行されたのがきっかけ。日本で今春からの開始が予定されているコミュニティ「Peer to Patent Japan(P2PJ)」はツイッターなどを活用して情報を募り、特許庁の外郭団体がそれをまとめて審査官に届けるという仕組みである。

弁理士の太田洋子氏は、「実際には情報提供者および提供された情報の質がポイント」と話す。審査官が容易に見つけられる文献や新規性・進歩性とは無関係な文献など無意味な情報まで拾ってしまう危惧があるからだ。

もう一つの懸念は、制度のダブりだ。これまでも他人の出願の新規性等を否定する資料を特許庁に提出できる制度は存在し、ライバル企業の出願を潰す目的で他社が資料を出してきた。同様の目的でCPRを使うケースが多くなってしまうと、「システムなどにカネをかけずとも現状の制度を改良すれば済んだ」という批判が出かねない。

ただの“新しもの好き”と言われぬよう、慎重な船出が肝要のようだ。