(2)能力を見きわめ、役割を分担する

交渉の内容を決めたら、次はメンバーのさまざまな能力をどのように活かせばよいかを考えよう。交渉に必要な能力としては、交渉の内容に関する専門知識のほかに、相手の話を聞く能力をはじめとする関係構築能力、相手の行動を観察・分析する能力、忍耐力、外国語の能力、演技力(たとえば、いかにも強硬そうに見せるなど)、過去の交渉経験などが挙げられるだろう。

次のステップはメンバーの能力に合わせて基本的な役割を決めることだ。まずチームリーダー、すなわち最終的な意思決定者を決める必要がある。

リーダーは必ずではないにしても、たいていチームのチーフネゴシエーターを務めることになる。

(3)交渉プロセスのプランをたてる

交渉の内容とさまざまな役割は、チームが交渉プロセスの主な要素について決定する第3のステップで合体する。最初のオファーはどのような内容にすべきか。最初の譲歩はいつ行うべきか。譲歩は何度まで行うべきか。チームで交渉するか単独で交渉するかにかかわらず、こうした問いについては事前に答えを出しておく必要がある。

プロセスの要素にはチームに特有のものもある。休憩もしくは協議である。新しい問題を持ち出すためであれ、「リアリティチェック(現実性の確認)」のためであれ、チーム内の意見の相違を解決するためであれ、チームは相手側から離れるチャンスをうまく利用する必要がある。チーム内に意見の相違がある場合には、必ず休憩時間中に、相手側に聞こえないところで対処しよう。譲歩やトレードオフに関する意見の相違は、最終的にはチームリーダーが決断を下さねばならない。

戦略的理由から──たとえば交渉を打ち切ることも辞さないという姿勢を伝えるために──協議タイムを要求することもできる。協議はまた、交渉をペースダウンさせることで、双方に別の選択肢を検討して新しいオファーを用意する時間を与えることもできる。協議タイムを要求するために使う合図を事前に決めておこう。メールで合図を送ってもいいだろうし、紙切れにメモを書いて回してもいいだろう。

交渉内容の分析、賢明な役割分担、交渉の進め方のプランを含む徹底的な準備という戦略に従うことで、あなたのチームは最高の成果を挙げるために必要なコミュニケーション能力や調整能力を獲得できるはずだ。

(翻訳=ディプロマット)