ゴルフ道具の遅配ではレンタル代が補償される

図:郵便に比べると「ゆうパック・宅配便」は補償の範囲も大きい!
図を拡大
図:郵便に比べると「ゆうパック・宅配便」は補償の範囲も大きい!

郵便は、「郵便の役務をなるべく安い料金で、あまねく、公平に提供する」ことを目的としているため、郵便法により賠償責任を負う場合が制限されています。

2002年の郵便法改正前は、書留郵便物や小包郵便物の全部または一部が紛失したり毀損したときなどに限って、利用者は一定の金額の範囲内で損害賠償を受けられるものとされ、遅配の場合も含めそれ以外は一切損害賠償が認められないものとされていました。

しかし、02年9月11日に最高裁がこのような郵便法の定めは憲法17条に違反するとの判断を下し、その結果、「書留郵便」であれば郵便の業務に従事する者(郵便局員など)の故意または重過失(特別送達の場合は過失)によるときは約款所定の金額にかかわらず賠償責任を負うなどの改正がされました。これにより、補償される範囲が広がったといえますが、この場合も郵便業務従事者の故意または重過失を利用者が立証(挙証)する必要があります。

他方、宅配便は一般消費者保護のため、宅配業者が約款を定めて国土交通大臣の認可を受けるか、国土交通大臣が定めて公示した標準宅配便運送約款によるものとされており、この約款に宅配便で送った荷物の滅失毀損や遅れた場合の責任について定められています。

約款によると、宅配便や書留としないゆうパックは、荷物をなくしたり破損したりした場合には、送り状に記載された限度額(30万円)を上限に実損額が賠償されます。なお、ゆうパックを書留とした場合には、限度額は申し出額となり、申し出をしない場合は35万円が上限額になります。

また、遅延の場合には送り状に荷物の使用目的(ゴルフ等)および荷物引渡日時を記載すれば、その荷物をその特定の日時に使用できなかったことにより生じた財産上の損害が限度額の範囲内で賠償されます。たとえば、ゴルフ用具を送ったのにプレーに間に合わず、ゴルフ用具をレンタルした場合は、レンタル代などが支払われます。

日時や目的を記載しなかった場合、荷物の引き渡しが予定日の翌日まで行われなかったことにより生じた財産上の損害賠償は、運賃等の範囲内でしかされません。

実際、ゆうパック、宅配便とも、業者側で荷物の受け取り、引き渡し、保管および運送に関し注意を怠らなかったことを証明しない限り、荷物の滅失、毀損または遅延について損害賠償の責任を負うものとして挙証責任が利用者から業者側に転換されているため(標準宅配便運送約款では21条)、賠償請求が容易といえます。

ただし、荷物の毀損の責任は、荷物の引き渡しの日から14日以内に通知しない限り消滅するものとされているので(同約款24条1項)、被害を受けたら早めに対応するよう注意が必要です。

※すべて雑誌掲載当時