誰が政治的影響力を持っているか把握

部内の政治状況を把握することも、文化やビジネス状況を査定することに劣らず重要だ。従来型の組織図からは、会社の実際の権力力学は概してほとんどわからない。

「誰が政治力を持っているかを見極めるためには、会議に参加して誰の発言に耳が傾けられるかを観察することだ」と、マクレールは勧める。「影響力のある人物はどのような言葉を使い、他の出席者はそれらの言葉をどのように解釈しているかに注目しよう」。

新設されたポジションには特に厄介な政治的挑戦が伴うことがある。新しいリーダーの前に政治的思惑を持った連中が立ちはだかる場合は特にそうだ。ピート・コナーは、カリフォルニア州サンノゼのエレクトロニクス会社、カデンス・デザイン・システムズに新設された業務グループのディレクターに任命されたとき、これを体験した。特定の製品ラインを監督していた同輩のマネジャーが、コナーがこのグループのリーダーになることに反対したのである。「彼は私の部下たちが私ではなく彼の指揮下に入るべきだと考えていたんだ」と、コナーは振り返る。「この点についてわれわれの意見が一致しないことは明白だったが、敵に回したら彼は多くのトラブルを引き起こしかねないということもわかっていた」。

妥協策として、コナーは業務グループを自分の思い描いていた職能別の組織にするのではなく、製品ライン別の組織にすることに同意した。しばらくすると、新しいグループの価値が明白になり、彼はより自由に動けるようになって、自分の望むような組織構成に変えることができた。

事前に何もかも知ることは不可能だ。が、多くの人に話を聞いて、たくさん質問すればするほど、そして鋭く観察すればするほど、新しいポジションで最初から成果をあげられる確率は高くなる。

(翻訳=ディプロマット)