そこで「いいわね」という返事が返ってくると、都心でも自然のあるところに住みたいのだと想像できる。顧客にもらった言葉から、入居後の生活がイメージできる提案を投げ、成約につなげるのだ。

シングル女性の場合は、将来結婚した場合など賃貸に出す可能性も高いため、周辺の賃貸物件の賃料や空室率などを調べて資産価値なども具体的に話すようにしているそうだ。

「物件をご案内する際も、収納の工夫など女性ならではの視点を取り入れているところを強調します。最近はご夫婦でも奥様が主導権を握っていることが多いので、同性の心を掴むことが結果につながりますね」

忙しい顧客をフォローするとき、中原さんが活用するのは電話よりも携帯やパソコンのメールだ。来訪時に受けた質問にあえてその場で答えず、メールで報告すると返事が返ってきやすく、次につなげやすいこともある。

「ただし、脈がない方を深追いはしない。迷っている方もあえて強く押さないように気をつけています」

そうやって考える時間を与えることで、一度断った人が戻ってくるケースもある。適度な距離感のある接客は、年配の顧客からも好評だという。

■服装や靴の選び方…接客時は制服なので清潔感を意識するくらいで特別なことはしていない。ただネールにはこだわりがある。興味を持ってもらって会話のきっかけになったりする。

■お客様との接し方…仕事上、ギャラリー以外でお会いすることはあまりなく、特にお付き合いもない。

■セクハラ防衛法…困った経験はあまりない。夜遅くモデルルームで営業するような場合は、ほかの事務所の方が覗きにきてくれたりする。職場全体で体制が整っていると思う。

■ONとOFFの時間…海外を含め、旅に行くことが大好き。仕事が終わったら、そのまま飛行機に乗って国内外に旅立つことも。

■自分のセールス点…「切り替え」ができるところ。お客様が迷っている場合は、しつこい営業をせず、考える余裕をさしあげる。

(芳地博之=撮影)