「MaGaRi」というサイトが注目されている。そこで紹介されるのは不動産物件だが、情報は賃貸でも分譲でもなく、サイト名の通り、間借り物件のみ。例えば、文京区のパン屋のオーナーが営業時間終了後に、店内をワイン教室やカフェ、料理教室として1時間4000円で貸し出す、といったもの。いわば、時間貸しである。

貸す側は営業時間外収益が生じ、借りる側も「出店」コストを安く抑えられるわけだが、今回、本欄が注目したのは、「最近、場所貸しする企業が増えてきた」(サイトを運営するドラマチック代表・今村ひろゆき氏)ことである。景気低迷の今、自社をシェアオフィスにして、社外の人に使用してもらう動きが加速中だというのだ。

「リストラによる人員削減で不要になった自社空間を一部貸し出したり、逆に少人数となった社員ごと自社ビルを出て、どこかのオフィスに間借りしたりというケースです」(今村氏)

フリーのクリエイター同士が集まってオフィスをシェアするような事例は少なくないが、それなりの規模の企業が自社をシェアする動きが出てこようとは……。「場所貸し」のメリットは、実は、家賃収入だけではないらしい。

今村氏本人も浅草の築54年の元サンダル屋をオフィスとしてシェア。様々な職種の入居者がいる。
写真を拡大
今村氏本人も浅草の築54年の元サンダル屋をオフィスとしてシェア。様々な職種の入居者がいる。

「自社空間に人や情報が集まれば会社の新たなアイデンティティの確立や、他社(者)とのコラボを促進できます。顔と顔を合わせることでそこに思わぬ化学反応が生まれ、会社の価値や魅力を高めることにもなる」(同)

数年前は完成時に満室が当たり前だった新築ビルも、今では「空き」もザラ。今村氏は最近、ビルオーナーから「入居者が増えるビルの活用法はないか」との相談をよく受けるという。

もし、中小企業や個人が大企業のオフィスをシェアする仕組みができたら、これまでにはないビジネスのプラットフォームができるだろうか。