文部科学省が全国の大学などに行った調査によると、9月下旬以降に始める後期授業の形式について、約8割の学校がオンライン授業を対面授業と併用して続けるという。上智大学4年生の茂木響平氏は、「私の周囲にはオンライン授業のせいで留年になった学生がいる一方、オンライン授業のおかげで卒業を決められた学生もいる」という——。
デバイスを膝の上に載せて使用している男性の手元
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アドバイスももらえず、大学の設備も使えない

オンライン授業によって良くも悪くも大学生たちの学生生活は大きな変化を迎えることとなった。対面でないことへの不満から休学や留年を検討する学生が続出している現実もある。立命館大学公認の学生新聞・メディア団体の立命館大学新聞社は、同大学の学生の25%が休学を、10%が退学を視野にいれているとする調査を発表した。大学生である筆者の周りにも、オンライン授業を理由に留年を決めた学生がいる。一方で、「オンライン授業のおかげで留年を免れた」と語る学生もいる。双方に話を聞いてみた。

「オンライン授業では学びは少ないと感じ、6月ごろには留年することを決めました」

そう話す池田さん(仮名・20歳)は都内の美術大学でデザインを学ぶ2年生だ。大学の授業がオンライン化されてからは、関西の実家に帰って受講していた。

「特に質が落ちたと感じたのは、実技の授業です。オンラインでの実技授業は、大学から送られてくる器具とこちらでそろえた材料で成果物を作って発表するという形式。教員や友人のアドバイスをもらいながら創作をしたり、大学の設備を使ったりといった通常のような創作活動ができず、これでは独学と変わらないと思いました。自分一人で黙々と創作をできるほど引き出しのある学生にとっては悪くないのかもしれませんが、私にとっては求める学びを得られなかったです」