「数百人が感染」と聞いても動じなくなった日本国民

街に買い物に出ても東京は、ほぼ依然と同じ状況になってきています。まだ閑散としている時間帯もありますが、ほぼ回復したと見て良いと思います。

東京都の新規感染者数は2桁になることも出てきました。あれだけ数百人で騒いでいたのですから収束したと考えてホッとするのが普通です。

アルコール消毒液を使用する子供の手元
写真=iStock.com/show999
※写真はイメージです

ところがニュースを見てみると、「新型コロナ第2波の流行 感染状況の最新データが明らかに」(2020年8月24日NHK)、「大分市で新たに4人の感染確認 中学教員2人と80代の女性2人新型コロナ」(2020年8月21日大分合同新聞)と報道が続いています。

また「新型コロナ第2波の流行 感染状況の最新データが明らかに」(2020年8月24日NHKニュース)では、「現在の感染状況について流行はピークに達してはいるものの、このあと減少するかどうかは現時点では分からず、感染の再拡大への警戒が必要な状況」とのこと。

そういった報道があっても、私たちはあまり感情を動かされなくなりました。日本の人々は、ラジカルな行動もとらず冷静に論理的に出来事を理解して現実的な生活を取り戻しました。私は、日本は教育レベルが高く国民が自分で考える能力のレベルが高いのだと思います。素晴らしいことです。

「位相変化」が起きている

第2波、第3波という言葉は耳にしても、位相変化あるいは局面変化(フェーズチェンジ)が起きていることを指摘する人はほとんどいません。位相変化は、水が氷に変化するように、様相がガラッとかわることです。

これは、新型コロナウイルスの新規発症者と回復者の図です(※1)

【図表】New Cases vs. New Recoveries
図版作成=大和田潔
出典=Worldometer Japan coronavirus

この図は2つに分かれることがわかります。

6月2日を境として、パターンAとパターンBに分かれます。

☆パターンA 新規発症者の波が過ぎその後に回復者の波がくる形
☆パターンB 新規発症者とほぼ同数が同時に回復する形

パターンAとパターンBに分かれる新規発症者と回復者の図表
図版作成=大和田潔
左がパターンA、右がパターンB(出典=Worldometer Japan coronavirus)

という2つの形です。パターンBも、わずかに発症者のピークが先立っていますがパターンAほどはっきりした二峰性ではありません。新規発症者が激減した後、増える時期がたまにやってくることを繰り返す季節性のパターンCに移行していくことでしょう。