「セクハラ」という概念の普及が進んだ結果、職場の女性の面前で失礼な発言をする男性は、昔に比べると減った。しかし、男性同士だとつい、たがが緩んで、特定の女性に対する性的な噂話などをしている人もいるのではないだろうか。そんな発言が仮に、何らかの形で女性の耳に入れば、セクハラに問われる可能性があるのか? 答えはイエス。

「もとの発言者だけでなく、それを伝えた人に悪意があれば、その人も責任が問われる可能性がある」(『女は男のそれをなぜセクハラと呼ぶか』(角川書店)の著者でもある、山田秀雄弁護士)

「その場だけ」の話のつもりでも、その後に不特定多数の者へ伝播する可能性がある以上はセクハラになる、というところは、名誉毀損罪や侮辱罪における法的議論に似ている。

セクハラ被害者になって泣かないための、7つのポイント
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セクハラ被害者になって泣かないための、7つのポイント

実は、セクハラ行動は、通常、民法上の不法行為(故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害する行為)として、慰謝料などの損害賠償を命じられたり、強制わいせつ罪などの刑法犯として罰せられるなど、一般的な法規のもとで処断される。それらの裁判の判決理由においても、ある行為がセクハラかどうかの判断基準は「諸事情を総合的に勘案」としか述べられないことが多い。

ただし、「常識的に見て、相手が嫌がるのが相当かどうか」という主観が重視されることは確かだ。

山田弁護士によると、職場のセクハラは大きく2つに分類される。まず「対価型」は、たとえ無意識的でも、相手にプレッシャーを与えることによって、性的な対象とすること。上司と部下という間柄などで生じやすい。次に「環境型」は、性的な言動によって、職場環境の悪化を招くことである。