あまりに重い文在寅の責任

2020年8月は本来開催されるはずだった東京五輪・パラリンピックの代わりに、戦後最悪にある日韓関係が歴史に刻まれることになった。韓国の大法院(最高裁に相当)が韓国人元徴用工への賠償を命じた新日鐵住金(現・日本製鉄)の資産強制売却(現金化)の効力が8月4日に発生し、日本政府が報復措置に踏み切ることが確実視されているためだ。韓国側も対抗措置を検討しており、もはや友好な隣国関係を築くことはできないどころか、「開戦」状態に突入している。大口をたたいて風呂敷を広げても解決する力を持たない韓国側との歩み寄りは困難で、8月24日にはGSOMIA(日韓軍事情報包括保護協定)の更新期限も迎える。国家間の数々の合意を覆し、ゴールポストを動かし続けてきた韓国政府の責任はあまりにも重い。

2019年10月9日、韓国の文在寅大統領下野を求める反政権集会(韓国・ソウル)
写真=AFP/時事通信フォト
2019年10月9日、韓国の文在寅大統領下野を求める反政権集会(韓国・ソウル)

「あらゆる選択肢を視野に入れて、引き続き毅然と対応する」。菅義偉官房長官は8月4日、強い口調で警告するとともに報復合戦に発展する可能性を示唆した。日本製鉄が「即時抗告を予定している」とのコメントを出したことにより、実際に現金化へ動き出すのは早くても数カ月後になる見通しだ。

日本側は韓国政府に早期の事態打開を求めているが、文在寅政権は「司法の決定について立場を明らかにするのは適切ではない」などと動きは全く見られない。GSOMIAについても、韓国外交部は「日本に束縛されることなく、いつでも韓国政府が終了させることは可能だ」と大口をたたく始末だ。大変失礼であるのは承知しているが、「ちょっと、あんた大丈夫?」と言いたくもなってしまう。