定年後は持ち家にお金を稼いでもらう

貯蓄が不十分では、定年後も再雇用制度のフル活用や再就職で働かざるをえない。60歳からのアクティブな老後は、額に汗するためのアクティブという意味になりかねない。貯蓄をして、定年後は持ち家にお金を稼いでもらうことが大切なのだ。

老後の住まいのための主な公的支援制度は?
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老後の住まいのための主な公的支援制度は?

それでも思うようにいかないケースもある、こんな場合は、高齢者向けの公的な制度を利用する方法がある。国や自治体は高齢化社会の進行を見据えて、高齢者向けのさまざまな賃貸住宅や融資制度を設けている。

例えば、高齢者向け返済特例制度がある。老後も自宅に住み続ける場合、住宅金融支援機構のバリアフリーまたは耐震改修工事を含むリフォーム資金の融資を利用することができる。その際、高齢者居住支援センター(高齢者住宅財団)の保証を受けることができる。毎月の返済は利息のみなので、負担は軽くなるが、その代わり元金の返済は利用者が死亡したときに、相続人が一括して返済する。

マンション建て替えなどの際に、建て替え後の新居を購入する資金の融資も受けられる。この場合も同センターの保証を受けることで返済は利息のみとなる。条件はリフォーム資金融資と同じで、いずれも融資限度額は最高1000万円となっている。

賃貸に住み替える場合では、高齢者向けの賃貸住宅に住む方法がある。民間の賃貸住宅では高齢者を敬遠しがちだが、高齢者向けの賃貸住宅であればその心配はない。大家に対しては、同センターの家賃債務保証(最高月額家賃の6カ月分)もあり、貸す側の不安を軽減している。

住まいは一般的な間取りの住宅(高齢者円滑入居賃貸住宅)から、バリアフリー化され、緊急時に対応したサービスが受けられる住宅(高齢者専用賃貸住宅)、介護付きの住宅まで、いろいろなタイプが用意されている。その時々の身体状況に合わせて住まいを選択することができるのだ。

こうした住まいは、全国の自治体の窓口やインターネットで探すことができる。

65歳以上の持ち家率は9割近いが、いま、持ち家に住みながら、老後資金が足りずに生活保護の申請をする高齢者が増えている。家があるのに生活保護を申請するという事態は、どう考えても異様なことだ。一方、国にとっては社会保障費の負担が増えることを意味して由々しきことである。