商品ETFに投資する際には、当該商品そのものの将来性に加え、ETFの売買高や売買代金などの売買状況もチェックしたい。一般紙でも確認できるが、9月25日時点で値段がついている商品ETFは「金価格連動型」「SPDRゴールド」など7本。残る2本は値段がついていない。ついていても1日の売買代金が100万円に満たない銘柄が2本ある。このように流動性が低いETFは買値と売値が開きやすく、かつ、基準価額との乖離が投資家にとって思わしくないほど開くこともある。これは実質的なコストであり、一般の投資信託にはないものだ。

また、東証に上場されている7本は外国籍であるため、取引の際には外国証券取引口座の開設が必要となるうえ、取り扱う証券会社も限られている。

株価指数に連動するETFは個別銘柄株と比べ、一般的に値動きが緩く、長期投資に向いているといわれてきた。しかし商品ETFは、個別の商品相場の値動きそのものなので、より短期的な投資スタンスが求められるといえる。

現在の商品価格上昇は、行き先を失った投機資金の流入という側面もあるが、新興国の台頭など将来の資源不足を考えれば、長期的には上昇する可能性が高い。一方、米国ではインフレ防止のため、原油や農産物など日常生活に関わる商品は投資規制されるとの予測もある。となると、貴金属以外の商品ETFは、波乱材料含みになる恐れもある。

ETFは低コストと言われるが、前述のようなコストがかかれば、年間で安くなる信託報酬の分を一瞬にして失う場合もある。こうしたことを理解したうえで大いに活用してほしい。

(構成=有山典子)