見切り発車で始まったらトラブルが続発

ずさんな制度設計により、旅行業界と利用者となる一般市民の両方から悲鳴が上がっている「Go To トラベル」キャンペーンが7月22日から開始された。ここへきて新型コロナウイルスの市中感染が広がる中、東京都民への適用や、都内での滞在が認められない「東京外し」といったスッキリしない出足となった一方、「4連休中はほぼ満室だった」と答えるホテルもあり、一定の効果があったことも伺える。

観光名所「清水寺」の参道を行き交う人たち=2020年7月23日、京都市東山区
写真=時事通信フォト
観光名所「清水寺」の参道を行き交う人たち=2020年7月23日、京都市東山区

ただ、支援を受ける側である宿泊機関では、手続きの煩雑さと情報の錯綜さくそうなどで足を引っ張られる事態が2週間近くも続いている。筆者が集めた関係者の声をもとに現状を分析したい。

Go To トラベルは、7月22日のキックオフ時点で、運営窓口となる事務局が立ち上がっておらず、見切り発車だった。その結果、利用者はとりあえず全額を支払い、チェックアウト時などに宿から交付される「宿泊証明書」を使って、後日、補助金分を請求することになった。しかも「東京外し」も起こり、手続きは非常に複雑だ。

案の定、キャンペーン開始から10日余りがたった現在、宿泊施設ではこんなトラブルが起きている。整理すると次のようになる。