臨時国会で安倍の火だるまは必至

秋にも噂されている衆議院解散総選挙。場合によっては臨時国会冒頭解散もあるのでは、と永田町の面々がソワソワしてきている。新型コロナウイルス問題の中ではあるものの、国会議員らが精力的に地元回りを行っているという情報が伝わってくる。

国会議事堂
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しかし、今、解散総選挙を行う場合、現政権はそのための大義名分を必要とする。まさか「野党が一本化する前に解散したいから」という本音を堂々と述べて解散するわけにもいかないので、何らかの選挙争点となりえるテーマが求められることになる。

現在、報道ベースでにわかに話題になっていることは「消費税減税」をテーマとした解散である。新型コロナウイルス問題が本格化する以前の段階でも、昨年10月1日に行われた消費税10%への増税は日本経済に深刻な打撃を与えているのは明らかだ。新型コロナウイルス問題に伴う世界的な景気後退がなくても、日本経済は消費税増税によって青息吐息に追い込まれていたことに何ら変わりがなかっただろう。

まして、内閣府の「景気動向指数研究会」が2012年12月にスタートした景気回復は2018年10月に終わったという見方を示していることから、昨年の消費税増税は景気後退期に行われていたことになり、安倍政権の経済運営上の大チョンボであったことが判明している。この状態で臨時国会を開催した場合、安倍政権は国会で火だるまになることは避けられない。さらに、今後の景気回復の見込みは立っていないことから、もはや与党は一日でも早く解散したい状態にあることは疑う余地もない。