コロナで豹変した「無能」な経営者

新型コロナウイルスへの感染の恐怖や在宅勤務など出社制限下での働き方の変化が、コロナ後の職場環境を一変させている。その職場内で「えっ、彼(彼女)って、こんな人だったの?」と思わせる異常な言動や本性をあらわにする人、あるいは仕事ができる人だと思っていたのに無能さをさらけ出す人もいる。

ラップトップで作業中、ストレスを感じて眉間をつまむ男性
写真=iStock.com/Zephyr18
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その典型は「社員こそ会社の宝」とうたい、誰にでも愛想よく振る舞っていたはずの経営者たちの変貌ぶりだろう。たとえば従業員が微熱でもあると、コロナに感染していると思い込み、手の平を返したような仕打ちをされた人も多い。

労働組合の連合の労働相談(3月30~31日)にはこんな相談が寄せられている。

「微熱が出て、保健所や病院に相談し、処方された薬を飲み、念のため2週間休んだ。体調も良くなったので出勤すると言ったら、新型コロナに感染していると疑われ『病院からコロナに感染していないという診断書を持ってこなければ会社に出るな』と言われた」(正社員・男性)

おそらく病院はPCR検査の必要なしと判断したのだろうが、経営者は「陰性証明書」を持ってこいと、理不尽な要求をする。あるいは派遣先で微熱あった派遣社員の50代の男性は「派遣先から『コロナウイルスの可能性があるので解雇する。帰れ』と言われ帰宅したが、一方、派遣元に連絡したら『なぜ派遣先から帰ったのか』と言われ困っている」という相談を寄せている。