周りの人をうならせる「いい質問」をするにはどうすればいいか。IT批評家の尾原和啓氏は「コツは、相手にはなくて自分が持っている視点を見つけることだ。質問者が10代の学生なら“学生ならではの視点”を主軸に据えて質問するといい」という——。

※本稿は、尾原和啓『あえて、数字からおりる働き方』(SBクリエイティブ)の一部を再編集したものです。

セミナー中に質問する女性
写真=iStock.com/SDI Productions
※写真はイメージです

質問は「一番得をする」情報収集ツール

講座やセミナーなどにおける質問タイムは、情報収集術の中でも一番得をする行為だと僕は思っています。収集できる絶好のタイミングに手を挙げるのはひとつの才能です。なぜなら、質問は情報収集ツールでありながら、自分を印象づける行為でもあるからです。

僕は講座やセミナーに参加するとき、自分だけのための議事録を書きます。講師が何を言ったか、他の生徒の反応はどうだったか、などもメモします。なかでも大事にしているのが、最後の質問タイムでどんなことを質問するかについてのメモをとることです。

たとえば外資系の会議で、詳細な英語を聞き取れなくても、テーマさえわかれば、“こういう発言をすれば自分を覚えてもらえるかな”とか、空気をあえて読まずとも“こんな質問をしたらみんながハッとするかも”と、自分のことを覚えてもらうためにとる行動をメモします。

そうすると、後で誰かが「あの発言、よかったよ」と声をかけてくれたりする。いい質問をする人は必ず目立ちますし、強い印象を残します。取引先に出向いて、お客さんと接しているときに自分のことを覚えてもらうのにも、質問は有効です。