日本の高校の教室では、教師が立つ黒板を向いて座るのが当たり前だ。だが独自の教育でビルゲイツに絶賛され、「アメリカ最高の高校」といわれるサミット・パブリック・スクールでは、そんな場面はほとんどないという。その狙いとは  

※本稿はダイアン・タヴァナー著/稲垣みどり訳『成功する「準備」が整う世界最高の教室』(飛鳥新社)の一部を再編集したものです。

中学校学生試験研究
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生徒の学びをメンターと教師がサポート

サミット・パブリック・スクールでは、生徒たちが全員教師のほうを向いて並んで座ることは少ない。自分で計画した、あるいは管理している作業に、各自バラバラに取り組んでいることが多いからだ。

といっても、生徒たちが好き放題をしているわけではない。ユーチューブをスクロールしながら「今日は何を勉強しようかな?」と言っているわけではないのだ。その代わりメンターと一緒にゴールを設定し、私たちが選び出したいくつもの方法から、達成するためのやり方を自分で選ぶ。

教師が講義する時間もあるものの、それよりも、大事なことの探求や質問に答えること、フィードバックを与えること、それに子どもたちの成長に意義のある対話をすることに時間を使っている。

1日1時間の「自己主導性の学習時間」

これは私たちが重視している「自己主導性を持って知識を身につける力」を伸ばすための取り組みの一環だが、もっとも効果をあげたのは、更に過激な方法だ。生徒たちに教育の受け方を自由に選んでもらったのである。

1日1時間、「自己主導性の学習時間」を設け、自由に教育のリソース(素材)を選んで学習するのだ。リソースは教科書や練習問題に限らない。動画、ポッドキャスト、オンライン・シミュレーションなどから自分に合ったものを選ぶことができる。

また自分が何かを習得したかどうかを確認するためテストを受けるかどうかも、生徒自身が選べるようにしている。  要するに、生徒全員が特定の日に同じ内容のテストを揃って受けることは、もうしていない。それぞれ準備ができたと思うときに、それぞれに合った内容のテストを受け、必要な知識を身につけたと示すことができなければ、そこに到達するまで学び続ける。

このアプローチには慣れるまで少し時間がかかったものの、効果はすぐに現れた。子どもたちは自発的な習慣を身につけ、学ぶ対象により関心を持つようになったのだ。