【小幡】その後もう1回波がきたんです。テーマは北京オリンピックだったんですが。元大手証券マンがやってる有料サイトを参考にして新日本製鉄とかの鉄鋼株と、あとひそかに海運株がよかった。ズブの素人だったから、最初は海運の意味すらわからなかったぐらいですけど、中国で建物をたくさんつくらなきゃならないのと、いろんなモノが海を渡らなきゃならないっていうことで、商船三井とかをずっと追いかけてました。

【武井】最盛期はどれくらいありました?

【小幡】2年間で700万円以上いったでしょうか。服とかもいろいろ買いましたけど……でも、それが今では3分の1以下ですよ。去年1月、経済ショックでアジアの株式市場が急落したときに一度2分の1になって、ほんとにおっかないなと思ったんですけど、秋のアメリカの(リーマン・ショック)で今、200万円ちょっと。バーキンは今日は持ってきていません。怖くて持ち出せないですよ。500万円で買ったようなものですから。

――少し詳しくお話しいただけますか。

【小幡】昨年1月(22日)の急落は、つい前日まで絶好調だったのが、あれれれって一気に半額になっちゃって。目の前できれいに数字が消えていくのを見てもう、びっくりしちゃって。1万6000あった平均株価が1万2000、1万1000とどんどん落ちていった。あのときに今のような状態になる嫌な予感はあったんですけど。ちょっとオリンピックで調子づいちゃってたんで、とにかく下がった日には海運を必ず買って、次の日に利確出して、という自分のルールをつくっていたんです。

「新築を購入すれば、中古をつける」業者も

【武井】なるほど。

【小幡】でも、オリンピックが始まる(8月8日)とブームはもう去ってしまい、海運株の上昇も止まって、どうしよう、どうしようと思いながら、そのままにしていたんですよ。今考えると、オリンピックの開会式で、あの口パクの女の子の歌を聞きながら全部売って現金化しておけばよかったんです。

【武井】処分しないまま9月がきたんだ。

【小幡】私、大きいところしか買わなかったんですけど、もうトヨタ、東芝、日産もめちゃくちゃ。東証一部でジャスダックのような乱高下を見てる感じ。三菱東京UFJも銀行の中では手堅かったんですけどね。一番ひどかったのが東芝。有料サイトの言うがままに、145万円を目標に1182円(07年7月)のとき1000株買ったんですよ。毎日、利確して日当3万円くらい出ればいい、という感じでしたが、綺麗に下がって今は400円程度。嘘みたい。こことトヨタは、半年前までは1日3分で日当が軽く稼げたのに。