満員電車、会社、学校、ホストクラブと何が違う?

「じゃあ満員電車はどうなんですかね」

学生ホストのセイヤさん(仮名)が不満そうにつぶやく。梅雨寒の時期、歌舞伎町の夜明けの風が心地いい。私は店にいるより、こうして路上で話すほうが好きだ。

「だって俺、ホストだけど満員電車にも乗るし、学校も始まったから授業にも出てます。普通に生活してます。俺たちがコロナうつしてるなら、電車禁止にしたほうがいいですよ」

セイヤさんはまだ学生で、空いた時間でホストをしている。ホスト業界もガッツリ系だけではないし、昼キャバならぬ昼ホスの2部営業制を敷いている店もある。

「確かに店も先輩も全然気にしてないですよ、コロナ。気にしなきゃいけないのはわかってます。だけどなんで俺たちだけ晒すんですかね」

歌舞伎町のホストの大半はコロナになんか興味ないし、金にならないことはしない。ホストと話をしても大半は、裏の話は何も知らないし、知っている人は口をつぐむ。これはキャバ嬢も同じで、本業ではないセイヤさんのような学生さんが一番話してくれる。本職はうかつに本音を語らない。まあもっともな話だ。

歌舞伎町の路上で集まり、客を物色するホストのグループ
写真=iStock.com/greir
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セイヤさんが言いたいことは、ホストクラブやキャバクラがやり玉に挙げられているが、満員電車や再開した会社、学校はどうなのかということだろう。

「全部が歌舞伎町とか、全部がホストなら言われても仕方ないけど、テレビで名指しってむかつきますね」