仁藤美咲さん(仮名・20歳)は医療福祉系大学に通いながら、池袋でデリヘル嬢をしている。その理由は学費だ。母親だけのシングル家庭で高校生の弟がおり、親には頼れない。4年間で約800万円の学費を支払うため、どのような生活を続けているのか。ノンフィクション作家の中村淳彦氏が取材した——。(第3回/全3回)

※本稿は、中村淳彦『新型コロナと貧困女子』(宝島社新書)の一部を再編集したものです。

黒の下着を身に着けた女性の足に男性の手
写真=iStock.com/wragg
※写真はイメージです

「学校が休みのいまのうちに働いておこう」

2020年4月24日17時30分、池袋。現役女子大生・仁藤美咲さん(仮名・20歳)と待ち合わせた。仁藤さんは医療福祉系大学に通いながら、池袋でデリヘル嬢をしている。17時に店が終わり、そのまま会うことになった。

やってきた仁藤さんは黒髪、理知的、清楚な女の子だった。誰も風俗嬢とは思わない見た目で、絵に描いたような優等生という印象だ。

「○○大学の理学療法学科です。就職先はまだ全然決まってなくて、コロナで実習が進まないのでどうなるかわかりません。本当は4月、5月は病院で実習だったけど、中止になりました。学校が休みのいまのうちに働いておこうって、3月上旬に休校になってから毎日出勤しています。これから別の地域のデリヘルに出勤で、朝までやります」

今日のスケジュールを聞くと、かなり過酷だった。

朝9時にデリヘルの待機所に出勤、17時まで勤務。今日は3人のお客がついて2万7000円になったという。そして我々の取材を受け、終わり次第、電車で30分以上かかる別の繁華街のデリヘルに出勤する。そこで朝5時まで勤務して、そのまま池袋に移動して朝9時に出勤する。移動時間含めて34時間、風俗店に待機してお客をとるという。