得意分野以外にも目配りを忘れるな

たとえば、財務部の社員──その活動はもっぱら「競争」分野──は、人事部──その活動は主として「協働」分野──が打ち出すチームづくりプログラムや職務充実プログラムには価値創造効果を見出さないかもしれない。

競合価値モデル(「ホロニクス・モデル」とも呼ばれる)は、一流のバリュー・クリエーターの持つバランスのとれた視点を身につける手助けをしてくれる。自分は職場で誰と、なぜ付き合っているかを分析するためのレンズとして、このモデルを使ってみよう。自分が得意とする分野の人たちのほうに引き寄せられるという人間の自然な性向に、あなたは屈しているだろうか。自分の強みが「競争」分野の活動にあるとしたら、「協働」分野の活動に携わっている同僚たちが自身の仕事をどうとらえているかをもっと知ることで、「競争」の対極にある分野(「協働」分野)のスキルを開発しよう。同様に、あなたの強みが「管理」分野の活動にあるとしたら、「創造」分野の活動がどのように価値を付加するのかをもっと知る努力をしよう。

自分の得意分野以外の価値創造活動について学んでも、あなたの得意分野はおそらく変わらない。しかし、自分の活動をそれら他分野の活動と組み合わせることで、いかにして会社に価値をもたらせるのかを、さらに明確に理解できるようになるだろう。この理解は、あなたの会社の価値創造の定義や会社があなたに求めている具体的な貢献にできるだけ合致した、自分個人の価値創造の定義をつくり上げるのに役立つはずだ。ここで重要なのは以下の問いである。

・仕事の中で何に重点を置くのか
・個人としていかに成長していくのか
・自分の戦略の結果、これまでとは違うどのような決定を、日々の仕事の中で行っていくのか