白金、赤坂、銀座など地域の名前に“色”がつく不動産に対して北尾氏は着目して投資した。
白金、赤坂、銀座など地域の名前に“色”がつく不動産に対して北尾氏は着目して投資した。

――不動産の市況を見るポイントは?

北尾 不動産の市況は株式市況に比べると1年遅れます。ピークは株のピークの1年後に来る。経済をマクロでずっと観察していれば、そういうことがわかってきます。近年でも不動産価格がガタッと落ちた時期に、最低だと判断したタイミングでマンションを複数買いました。特に僕がカラーエリアと呼ぶ、白金、赤坂、銀座など、地域名に“色”がつく地域。まさに上昇に転ずる前で、その後に全部売却しましたが、大幅に利売りでした。

 

北尾の財布は

淡白でいながら、北尾氏にはなぜかお金が自然に集まってくる雰囲気が漂っている。それはどう形成されたのか。お金との“良縁”を築くには、どういうお金の使い方をすればいいのか尋ねてみた。

――結婚以来、お小遣いの額は?

北尾 わが家ではずっと、僕が嫁さんにお小遣いをあげています(笑)。渡した範囲で賄ってもらう。あとは全部僕が管理する。足らなくなったらいつでも言ってきなさいという世界をつくり上げた。だから家内はいまでも僕がなんぼ貰っていて、いくら使っているか、まったく知らず、興味もない。夫が家庭のお金を管理すれば、夫婦間の会話も増えますよ。電気製品が故障したので買い替えるとか、子どもの学費がどれだけ要るとか、家計の面から自然と話題ができます。

――主に、どういうところにお金を使ってきましたか?

北尾 本はまとめて買うので、月に、10万円まではいかなくても、かなりの額になります。飲食代は100万円を超えているかもしれません。あとは、洋服ぐらい。僕はゴルフをやりません。これは時間を有効に使いたいから。自動車も持っていない。ましてや何台も所有したり高級車を持とうという気はない。ニューヨーク時代は通勤に必要で買いましたが、カローラに乗っていました。