PANA=写真
PANA=写真

レナウン代表取締役社長 北畑稔(きたばたけ・みのる)
1962年、東京都生まれ。85年、明治大学商学部卒業後、レナウン入社。レナウンアメリカ、レナウンホンコンなど海外経験が長い。2007年、海外事業部ゼネラルマネージャー、09年2月、経営企画部長を経て、同年5月に社長就任。


 

老舗アパレルメーカーのレナウンの近年は、投資ファンドに株を買い占められるなど、経営の行き詰まりばかりが目立っていた。そんな矢先に発表されたのが、中国の繊維大手の山東如意科技集団との資本提携だ。

7月末に実施される第三者割当増資で、引受先の山東如意はレナウンの株式を41%保有する筆頭株主となる。中国躍進、日本衰退というお決まりの図式で報じられる一方で、世界最大の市場に進出する第一歩として前向きにとらえられ、レナウンの株価は急騰した。

この中国企業の傘下入りを決断したのが、昨年5月に社長に就任したばかりの北畑稔氏だ。1999~2007年までレナウンアメリカの社長を務めるなど、社歴の大半が海外事業部。取締役でもない経営企画部長から抜擢されて、47歳の若さで社長に就任した。

百貨店での展開が圧倒的に多いレナウンにとって、近年の百貨店不振やユニクロなどによる低価格競争は、致命傷に近いものがあった。北畑氏の社長就任は、いわば同社の最後の切り札とも言えた。

実際、北畑氏が社長に就任してからの改革のスピードは凄まじいものがある。赤字続きだったイギリスの老舗高級ブランドの「アクアスキュータム」や黒字だった婦人服子会社の「レリアン」を相次いで売却。レナウン本体の営業黒字化を最優先した。その経営手法は、米国仕込みと言える。

その北畑氏が、次の一手に選択したのが山東如意の傘下入りだが、レナウンのブランドを守ることができるのか、それとも中国のしたたかな経営陣に呑み込まれてしまうのか。高度な縫製技術を持ち、数多くのヒット商品をつくった名門レナウン。従業員3600人の老舗アパレルの浮沈を握るキーマンに期待が寄せられる。

(PANA=写真)