多くのメディアは「小池圧勝」を予測

4年前の夏、東京・池袋は興奮と歓喜に包まれていた。20年を超える国会議員のキャリアを投げ捨て、東京都知事選に飛び込んだ小池百合子知事の姿は「ジャンヌ・ダルク」と重なり、その支援の輪が広がりを見せていったのだ。対立候補を応援する石原慎太郎元都知事が浴びせた「大年増の厚化粧」発言などは女性を凍り付かせ、小池氏の圧勝に結びついた。

記者会見する東京都の小池百合子知事=2020年4月24日、東京都庁
写真=時事通信フォト
記者会見する東京都の小池百合子知事=2020年4月24日、東京都庁

元東京都副知事の青山佾氏は著書『東京都知事列伝」(時事通信社)で、小池氏の人気が続いた理由をこのように分析している。「いかにそれまでの都政に対する都民の批判が強かったかということでもある」。最近の都知事を見ると、4選を果たした石原氏が国政転出を理由に突如辞任し、後継の猪瀬直樹氏は医療法人からの資金提供問題により1年余りで失脚。2014年2月に当選した舛添要一氏も「政治とカネ」や公用車の公私混同問題で世論の批判が高まり、任期途中の辞職を余儀なくされている。3年で3人の知事が交代する異常事態で、都政は混乱と停滞ばかりが目立った。