今なお12万人近くが避難生活を余儀なくされている中にあって、今回の震災の復興需要は各業界の勢力図を大きく塗り替えるかもしれない。

PANA=写真
写真を拡大
PANA=写真

目立つのは大阪に本社や拠点を置くハウスメーカーや資材メーカーが増産を急加速させていることだ。東北3県向け7万2000戸(5月現在)の仮設住宅需要のほか、港湾、地盤整備などのインフラ復旧や工場の復興に欠かせない素材や部品の需要が膨らみ、関係各社はまさにフル生産体制だ。

グループ全体で仮設住宅8000戸の供給を受け持つ大和ハウス工業は奈良工場に仮設住宅用の生産ラインを新設し、天井パネルや鉄骨、ドア、窓枠の加工などに休日返上で取り組んでいる。被災した生産ラインを回復させた東北工場(宮城県大崎市)では、各工場から集められた建材に最終加工をして被災地に運んでいる。同グループの大和リースは5月上旬時点で3442戸の供給を終えた。

割り当て戸数4000戸の積水ハウスは東北工場(宮城県加美郡色麻町)を復旧させ、茨城工場(古河市)との2拠点でフル稼働の供給体制に入っている。パナホームはつくば工場と滋賀県東近江市の本社工場の2拠点で割り当て1000戸の供給を終えた。

「仮設特需」を見越し増産体制に乗り出す資材メーカーや関連商社も目白押しだ。

合板メーカーの林ベニヤ産業は月100万枚前後の床材用の合板の受注が震災後に120万~130万枚に増えた。すでに1万戸分の合板を供給。

塩化ビニール樹脂製の上下水管も注文が殺到しており、主に小口径を扱う最大手のクボタシーアイでは3月は前年比1.5倍、4月は同約2倍と急増。生活用水の貯蔵に使われるポリエチレンタンクのタキロンも震災後の月産量を2割ほど増やした。資材置き場や風よけ、目隠し用途などに使われる波板の引き合いも2割程度伸びている。金属建材商社・コンドーテックには住宅強度を高めるターンバックルブレース(筋交い)の受注が23万本入った。今後も受注はさらに増える見通し。