新型コロナウイルス感染防止のための休校が続いている。文部科学省は4月、都道府県に「学校は児童生徒に時間割表を配り、日々学ぶ教科書の範囲を具体的に指示するように」との通知を出した。教育評論家の石田勝紀さんは「文科省は家庭学習を授業とみなそうとしている。来春の入試の中身に大きな影響を及ぼしそうだ」という——。

休校時の「家庭学習=授業」とみなそうとする文科省のもくろみ

新型コロナウイルス感染拡大を受けた休校措置が続く中、文部科学省が4月21日に各都道府県の教育委員会に向けて、ある「通知」をした。「全国の学校で児童生徒に教科書に基づく家庭学習を課すよう求める通知」である。

2020年3月17日、東京・国会の参院予算委員会で野党議員の質問に耳を傾ける萩生田光一文部科学大臣
2020年3月17日、東京・国会の参院予算委員会で野党議員の質問に耳を傾ける萩生田光一文部科学大臣(写真=アフロ)

その中では「各教科の教科書およびそれと併用できる教材等に基づく家庭学習を課すこと」とが明記されている。

「起きた時間」「体温測定」「学習計画(教科、内容)」「運動」「学習時間」「振り返りコメント」「家の人の確認」などを、学校や家庭で記入する欄があり、1週間単位のスケジュール表となっている。担任教員は生徒の進捗を確認するため、電話やメールで随時把握するよう指示されている。

保護者からすると「家でも学校の勉強をしっかりやってね」という、ゆるいスローガン的なお知らせが文科省から学校経由で家庭に伝えられただけ、と受け取れるかもしれないが、実はこの通知の背景には、今後、子どもたちに与える3つの重大な影響があると考えられる。