コロナショックで日本、そして世界は大変なことになっている。いつか終わりの日が来る大恐慌。そのアフターコロナに向けて。

日本の経済対策、批判があって当然

今回のコロナショックで多くの事業者が経済活動の休止を余儀なくされている状況から見ると、今後の経済は相当に厳しくなることを覚悟しなければなりません。アメリカ議会の予算局は、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になっている2020年4月から6月までのGDP(国内総生産)の成長率が、年率換算でマイナス28%以上という予測を出しました。これは1930年前後の世界恐慌のときよりも深刻です。

日本も人ごとではなく、日本経済研究センターがエコノミストに聞き取り調査をした結果、20年5月に発表される20年1~3月期のGDPはマイナス4%、20年4~6月期はマイナス11%になるという見通しが出ています。これから本格化する不況に向けて、相当の手当てが必要でしょう。ちなみに国際通貨基金(IMF)はコロナ禍を受け、2020年の世界のGDPをマイナス3%、アメリカはマイナス5.9%、日本はマイナス5.2%としています。

20年4月7日、日本政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策として過去最大となる約108兆円の予算を組みました。緊急経済対策の予算が決まる直前の20年3月27日に決定した20年度一般会計予算が約102兆円なので、それを少し上回る数字を見せたかったのでしょうか。ところが、この金額にはほとんど意味はないのです。

これには19年12月に成立した補正予算の未使用分9.8兆円も含まれています。さらに、今回の緊急経済対策には法人税や社会保険料の支払いを猶予するという項目に約26兆円が計上されていますが、これらは将来的には納めなくてはいけないものですからGDPの押し上げは期待できません。約108兆円の中で政府が実際に支出する、いわゆる「真水」は19兆円程度と思われます。GDPを10%押し上げるのに50兆円ほど必要だといわれているので、とても足りない数字なのです。

急落した街角景気(現状判断DI)