「マスクを出せ」などと店員を問い詰める悪質なクレーマーがたびたび店頭にあらわれている。弁護士の島田直行氏は「クレーマーは自分が全て正しいと考え、不当な要求をしている認識がない。対応には曖昧な回答を避け、あえて協力を求めるなど4つのポイントが有効だ」という――。
グループの声
写真=iStock.com/bowie15
※写真はイメージです

コロナの恐怖とクレーム対応で疲弊する現場

目に見えない新型コロナウイルスの恐怖に駆られ、ドラッグストアやスーパーにはマスクを買い求めようと客が押し寄せている。政府は布マスクを戸別に配布し、増産を決めた企業も報じられているが店には依然マスクが無い。入荷のめどもたっていない店ばかりだ。

ここで問題となるのが「カスハラ」(カスタマー・ハラスメント)だ。商品が手に入らず、不満を募らせた客はマスクの欠品から店員に狙いを変え、「クレーマー」に変貌する。激高して手を付けられない「モンスター化したお客様」すら現れている。

現場の店員たちは感染の恐怖だけでなく、客からのクレームとも向き合わざるを得ない過酷な状況にある。一般社団法人全国スーパーマーケット協会の調査(※)でも明らかなように、店員たちが今、欠品クレームや冷静さを失ったクレーマーへの対応に身も心も擦り減らしながら必死に働いている。この状況は一刻も早く改善する必要がある。

※一般社団法人全国スーパーマーケット協会「新型コロナウイルスの影響に関する実態調査」(2020年3月24日付)

クレーマーとはどんな特性を持ち、どのように向き合うべきなのか。私は弁護士としてさまざまなタイプのクレーマーを相手にしてきた。その経験を踏まえ、本稿ではクレーマー対応で実践してほしい4つのポイントを紹介したい。