楽しく短く感じる「時間の相対性理論」

<strong>クレディセゾン社長 林野 宏</strong><br>1942年、京都生まれ。埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店に入社。人事部、企画室、同百貨店宇都宮店次長などを経て、82年、西武クレジット(現クレディセゾン)に転籍。2000年より現職。「目の前の仕事を片付けつつ、50年、100年単位で戦略を考えることが大切です」
クレディセゾン社長 林野 宏
1942年、京都生まれ。埼玉大学文理学部卒業後、西武百貨店に入社。人事部、企画室、同百貨店宇都宮店次長などを経て、82年、西武クレジット(現クレディセゾン)に転籍。2000年より現職。「目の前の仕事を片付けつつ、50年、100年単位で戦略を考えることが大切です」

日本人は休みすぎだ。私はかねがね、そう考えています。1年のうち休日が144日もあるからです。

週休2日なので(年間52週として)土・日休みだけで年104日。これに加えて、年次休暇を全部取ると仮定すれば20日。さらに、合計15日ある国民の祝日や年末年始の休暇を足せば、年間144日が休日です。約1.5日働いては1日休んでいる計算になります。

私が新入社員だったころは、もっと厳しい環境にありました。休日は少なく、1日の勤務時間は今よりずっと長くハードでした。私がこう強調するのも、次のように考えるからです。

単なるサラリーマン、つまり自分の会社のなかでしか通用しないアマチュア・レベルの人材から、プロフェッショナルなビジネスパーソンに脱皮するには、ハードなトレーニングが絶対欠かせないと。

現在のように経済状況が悪化し、誰もが、目の前に山積する課題を乗り越えつつ同時に長期的な見通しも立てなければならない時代であれば、なおさらです。

私自身は、西武百貨店に勤務していた30歳前後の時期に、自分で自分にハードなトレーニングを課しました。具体的に言えば、「どんな課題も2時間で答えを出す」という訓練です。

みずから希望して人事部から企画室に異動した時代のこと。当時の西武百貨店は堤清二社長の鋭い感性のもと、新しい文化の発信基地として急成長を遂げつつありました。堤さんは時代の一歩先を行く難しい課題を、次々、担当役員に投げかけるのです。難題を与えられた役員たちは、われわれ企画室のスタッフにそれを振り当ててきます。