しかし、老いるということは自分が弱者になること。弱音を吐ける相手こそが、最後に自分を支えてくれる友達なのです。男性同士ではそういう関係をつくるのが難しそうですね。

そこでお勧めしたいのが、女性の友達づくりです。バーのママには弱音を吐けるのだから、カネを払わずにそれができるような女友達をつくればいいのです。女性の集団にあとから参入して、仲間に受け入れてもらう手もあります。女性集団に受け入れられるポイントは3つあります。

●「男と女の関係をつくらない」

下心があると人持ちになれません。男女共学の頃を思い出してグループ交際を楽しむつもりで女友達をつくること。妻の代用品を探すのではなく、いろいろな友達を一人でも多くつくることが大切です。

●「指揮・命令をしない」

女性集団の中だと男性は「俺の出番だ」と使命感を燃やしやすい。人様の役に立たなければ居場所がなくなると思っているようですが、実は役に立たずとも迷惑にならなければそれでいいのです。

女性は男の年齢が自分より上か下かに関係なく、とりあえず男を立てようとします。これも一種のビョーキです。男を立ててさえおけば無難に人生を送れるという知恵がそうさせているだけ。だから、それを真に受けて大きな顔をしたら、仲間にはなれません。

●「聞き上手になれ」

話し上手ではなく聞き上手になること。上の空で聞き流すのではなく、心から話を聞く。これが男性には難しい。聞いているうちに口を挟みたくなったり、結論を求めたりしてしまうのです。女性は会話という行為そのものを楽しんでいます。真剣に耳を傾けてくれる男性は、女性集団に必ず受け入れられます。

(文=斉藤栄一郎 撮影=宇佐見利明)