たとえば若くして管理職になってしまった私は、強烈な嫉妬で“嫌み攻撃”をされたことがありました。辛くて会社に行くのも嫌な時期があったのですが、あるとき相手に「半魚どん」(半魚人に似ていたので)とあだ名をつけてみました。

するとその人が嫌いな対象から面白い対象に変化したのです。ごちゃごちゃ言ってきても、「また何か言っているけれど半魚人だから仕方ない、許してやろう」と、穏やかな心で聞き流せたのだと思います。嫉妬は、直球で受け取ると心に大きな傷を負います。しかし、工夫してかわせば心も傷つきません。

イジメっ子は、相手が悲しい顔をすると余計にイジメをエスカレートさせます。だから攻撃されても真に受けてはいけません。平気な顔で、むしろ進んでその話題を拾い上げる余裕を見せましょう。あなたが動じなければ、相手も面白くなくなります。周りも悲観的にならず頑張るあなたの姿に共感してくれ、最後は嫉妬したほうの居心地が悪くなるはずです。

嫉妬攻撃を仕かけてくる相手と仲良くなりたいなら、あなたから歩み寄ることをおすすめします。「今回はたまたま、運がよかっただけです」「本当は○○さんのほうがずっと実力は上です」と、相手を弁護し、持ち上げ、相手にとってあなたは敵ではなく味方であるとアピールします。人として普通の心があればだんだん嫉妬も消え、うまくいけば仲間意識が生まれるかもしれません。

相手の状況も顧みず、無神経な発言を繰り返し、それで嫉妬を買ってしまう人もいます。この場合、当人にも問題はあるでしょう。慎重で謙虚な言動を日頃から心がけることで、無用な嫉妬を買うのは避けられます。

「弱い犬ほど吠える」と言いますが、自分に自信がなく、相手を脅威に感じる心の弱い人ほど攻撃を強めてくるもの。だから本当は放っておくのが一番。自分のために生きるほうがいいのです。

(野崎稚恵=構成)