「特養」は月10万~13万円。「有料老人ホーム」は、
入居金+月20万円はかかる

数十年前、都会に進学や就職を求め、やがては結婚をし、故郷の親元から独立した多くの子ども世代。そして今、その親の面倒を誰が見るか? これは多くの子ども世代が抱える問題だ。

片親が亡くなったとき、その問題に直面する。残された片親を、都会のわが家に呼び寄せるのは容易ではない。妻や子どもの生活もあるし、親のこだわりもある。たいていは故郷の実家で老人の一人暮らしになってしまう。もっとも大変なのは、その残された片親が病気になった場合だ。もちろん、治療中は病院に入院するわけだが、治っても、とうてい一人暮らしは無理、という状態で退院となるケースも。そうした場合は、とにかくすぐに国の介護認定を受けることだ。入院中に申し込むのがベスト。介護保険を使えるまで1カ月以上はかかるからだ。

退院となったら、病院と自宅の間をつなぐ「老人保健施設」の存在を覚えていてもらいたい。これは介護保険の施設サービスで、満員御礼の人気の施設となっているが、実は約3カ月、もしくは半年と入所期間を限定しているので、早めの行動をすれば入れないことはない。この間に次の展開を考えるといい。


どうしても親を呼び寄せられない子どもとしては、この段階で老人ホームのことを考えるだろう。長期入所の老人ホームには社会福祉法人などが運営する「特別養護老人ホーム」と、民間の株式会社が運営する「有料老人ホーム」がある。“特養”のほうは月10万~13万円程度だが、入所の条件が厳しく、入所待ち2~3年も珍しくない。

一方、民間の有料老人ホームは最低でも月20万円程度の費用がかかり、入居金が1000万円単位でかかるケースも。信頼のできるよい老人ホームを見つけるのもひと苦労だ。お金があれば解決できる、とはよくいったもので、きめ細かな介護をしてもらうのは、料金に比例するのも仕方のないところだろう。

今、まだ親が元気なうちに子どもができることは、いずれは直面する問題の情報収集をして、イザというとき先手を打てるようにしておくことだ。親の住んでいる自治体から、どんなサービスがあるのか冊子を取り寄せておくといい。また、元気なうちから、親とのコミュニケーションをもっと密にとっておく。たとえば家族割ケータイで緊急時に連絡をとれるようにする、メールを教えて安否確認に使うなど、早め早めの行動が、やがてくる問題を軽減してくれる。