コロナ菌と言うやつらは一体何なんだ

私の近所のドラッグストアからティッシュとトイレットペーパーが消えそうになった時、氏名不詳の男が「何が起こるかわかりませんからねえ!」などと興奮しながら両手いっぱいにティッシュボックスを抱えてレジに並んでいた。危機の時、人間は多弁になる。「あ、情弱(情報弱者)だな」と思った。要するに日本の製紙能力を信用していないのである。そのうち、ネットで転売が続々と起こり、普段ウォッシュレットで事足りている分際で、その出品に大量に群がり、結果、ネットに転売目的で出品されたそれら商品は続々と削除された。果てはマスク転売に静岡県議会議員まで関与していたので、日本人もようよう終わりに近づきつつあると思った。花崗岩から発生するある種の放射線がコロナ予防に効く、という理由でまたぞろネットで出品が相次いだ。膝から崩れ落ちるとはこのことである。日本の理科教育とは何だったのか。

コロナウイルス危機時の経済不況の概念
写真=iStock.com/spyarm
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そもそも、この段階に及んで、ウイルスと細菌の区別がついていない人間が多すぎる。「コロナ菌」という会話が平然と行われている。何度も言うがコロナは菌ではなくウイルスである。

イベントは強行されたりされなかったりしたが、結局ほぼ全部取りやめになって興行界隈は悲鳴を上げている。日本での新型コロナによる致死率はせいぜい1~2%の間。三大疾病の方がよほど怖いと言っても、毎日テレビは「コロナコロナ」と言ってるので、老人層は恐慌に陥っている。パニックの前ではいかなる科学的数字の提示も意味を持たない、という事を思い知らされた。