【大腸がん】切除不能・進行がんでも2年以上の延命効果

女性の死因第1位、男性の死因第3位の大腸がん。早期発見なら内視鏡的切除や手術でほぼ100%完治する。しかし、転移があるケースは抗がん剤が効きにくく、やっかいだった。切除不能・進行再発大腸がんに有効な抗がん剤は、つい10年ほど前まで、5-FUという薬のみで、半年~1年の延命がやっとだったのだ。

しかし、今は抗がん剤と分子標的薬により、2年以上の延命効果が期待できるばかりか、再発しても治癒の希望が残されている。

C.ベバシズマブ(製品名アバスチン)と抗がん剤との併用療法の臨床試験が行われている
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C.ベバシズマブ(製品名アバスチン)と抗がん剤との併用療法の臨床試験が行われている

現在、切除不能・再発進行大腸がんに対する世界標準の薬物療法は、既存のFOLFOX(3種類の抗がん剤を併用する薬物療法)に加えて、分子標的薬のベバシズマブ(製品名アバスチン・写真C)を投与する方法だ。

一方、国内では08年に経口抗がん剤のカペシタビン(製品名ゼローダ)とオキサリプラチン(製品名エルプラット)に加えて、このベバシズマブを投与する治療法の臨床試験が行われ、72%の患者にがんの大きさが30%以上縮小する効果が認められた。これはFOLFOXを使った世界標準治療に匹敵する成績だ。「患者の負担も少ないので将来こちらが国内の標準治療になる可能性もある」(消化器外科医)。

分子標的薬も手だてが増えた。現時点で使えるのは前述のベバシズマブのほか、セツキシマブ(製品名アービタックス)、パニツムマブ(製品名ベクチビックス)。両剤はベバシズマブよりがん細胞を縮小する効果が高いが、KRASと呼ばれる遺伝子に変異がある約4割の患者には効かない。遺伝子変異は保険で検査できるので事前確認をする必要がある。