なぜ低層マンションができるかといえば、その土地が低層しか建てられない用途地域だからだ。具体的には、第一種・第二種低層住居専用地域という地域で、例えば建ぺい率50、容積率100のようにかなり低い数字に制限されている。

建ぺい率とは、土地の面積のうち建物が占める面積の割合のことで、建ぺい率50の場合、土地面積100平メートルに対して、50平メートルの部分にしか建物が建てられない。逆に言うと50平メートルは緑を残すことになる。容積率は、土地の面積に対する建物の延べ床面積の割合のことで、容積率100の場合、土地面積100平メートルに対して延べ床面積100平メートルの建物しか建てられない。

加えて、高さ制限があり、低層住居の用途地域では、最も厳しい場合は10メートルまでとなり、通常は3階までしか建てられない。したがって、低層マンションは、3階までしかなく、敷地内に緑が多いという特徴を持つことになる。そのため、一戸建て感覚の暮らしができる。雨が降れば雨音が聞こえ、木々が近くにあって、花が咲いたり、実がなって鳥が来るのを目の前で見て生活ができることは大きなメリットだ。

低層住居の地域では、敷地にゆとりがあって緑の多い住宅街が形成され、かつ人口密度も低いので、落ち着きのある街並みができる。そしてこうした低層マンションに魅力を感じる、似た価値観の人が集まる傾向にあるため、コミュニケーションがしやすいという側面もある。

低層マンションが建てられる用途地域
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低層マンションが建てられる用途地域

さらに、閑静な住宅地、邸宅街というのは、もともと限られた場所にしかなく、「希少性」が高い。だから、永住型のプランでつくられることが多く、専有面積も80平メートルから120平メートルを中心とした広さとなり、グレードも高いマンションが多くなる。良好な住環境に加え、マンションのグレードも高いという希少性は、資産価値に通じる。当然ながら、価格は高くなる。

メリットが多いように見える低層マンションだが、限られたエリアにしかないので、選択肢が少ない。低層マンションの立地は、もともと戸建てをつくろうという地域なので、数十戸程度の小規模な物件となり、販売戸数も少ないことが多い。そのため、魅力的な低層マンションは、不動産会社の友の会の会員に案内するだけで売れてしまう場合もある。話題になる前に売れてしまうことが多いので、低層マンションを狙っているのなら、友の会などに登録をして、早めに情報を入手したい。

注意点としてはまず、数十戸の小規模なマンションでも、エレベーターがあったり、仕様のグレードが高かったりするので、管理費が高くなる傾向にある。住宅価格だけでなく、ランニングコストについても、立地とグレードから見て、それに見合う物件かどうかチェックしよう。

また、1階部分を地下や半地下にして、4階建てにしている物件もある。この場合の1階は、日当たりが悪かったり、外から見えるなどプライバシーが気になることがある。専用庭を広くすることで、それをカバーしている物件もあるが、よく確認しておきたいポイントだ。

ほかにも、邸宅街は駅から離れた高台に立地していることも多く、高齢になった際に不便を感じる可能性もある。長期的な視点で住み心地を考えたほうがよい。

これらの低層マンションの特徴をよく理解して、自分の暮らしに合うかどうかをしっかり判断することが重要だ。