マスクの品薄が問題になる中、政府は3月15日以降のマスク高値転売を禁止した。マスク転売で大金を稼いでいた山田信行氏(仮名)は、「マスクは禁止となりましたが、コロナで稼ぐ方法はまだまだあります」と語る。その呆れた言い分を聞いた――。
ラップトップを使用して実業家
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マスク転売ヤーの手口

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、品薄状態のマスクがインターネット上で高額転売されている。それに対し、政府は3月15日以降、ネット上の取引を含めてマスクの高値転売を禁止した。これに違反した場合、1年以下の懲役か100万円以下の罰金が科せられる。

これにより、新型コロナに乗じた転売ヤーの火事場泥棒的な荒稼ぎは収束すると思われる。だが、転売を副業とする会社員の山田信行氏(仮名)は、「マスクは禁止となりましたが、コロナで稼ぐ方法はまだまだあります」と語る。

山田氏は1月末頃、新型コロナウイルスが原因で中国・武漢が閉鎖されると同時に、品薄になり始めたマスクを買い占めに動いたという。

「私は専業の転売ヤーと違い、平日は会社に拘束されているので、店舗まわりなどはできません。そのためアマゾンのアカウントを架空の住所で複数作成しました。同一住所で複数のアカウントを運用すると、すぐにアカウントが削除されてしまうためです。受け取りはコンビニにすれば問題ありません。こうして量産したアカウントを使い、購入に個数制限のあったマスクを複数入手しました」

もちろん、これだけでは手に入れられる数には限度がある。そのためA氏が次に目をつけたのが、「楽天市場」だ。

「1月末の時点で『楽天市場』内のショップは、個数制限が定められていないショップもありました。極端な話、一度に100個のマスクを発注することも可能だったわけです。50枚入りの箱マスクを200個注文することができたショップもあり、かなりの仕入れができましたね」