この国のかたちをつくりあげた、有名無名な勇者たち73人の残した轍に、混乱の世を生きる現代人の道標を探す。あなたに似たリーダーは見つかるだろうか。

補佐役

天下取りの野望のため、時に主君でさえも道具と見なす。プロデューサー的な男たち。だが、もし野心を持つと……。黒田官兵衛がその典型で、自らがトップに躍り出ようとした途端、不運も襲いかかるのだった。

功を誇らず、利を求めず。忠誠心の人【大久保彦左衛門】
『新三河物語』宮城谷昌光・著

家康の興亡とともに生き、一生を捧げた忠臣。忠誠心といえばこの人と今も日本人から愛される人物。

美こそが主。天下人に抗う茶人【千利休】
『利休にたずねよ』山本兼一・著

己の美学を貫く茶聖の鮮烈な恋、そして死を描いた意欲作。「芸術文化は政治権力にも、死にさえも屈しませんでしたね」。

独眼流政宗の右目となって生きた忠臣。【片倉小十郎】
『片倉小十郎景綱』近衛龍春・著
信玄の下、「風林火山」で時代を演出した軍師【山本勘助】
『謀将山本勘助』南原幹雄・著
智も仁も勇もないが、誰にも及ばぬ人気者【成田長親】
『のぼうの城』和田竜・著
信長の破滅を予言した僧侶。『奥羽の二人』所収。【安国寺恵瓊】
『背伸び』松本清張・著
智謀の施政で主君への義を貫き、民を守る。【直江兼続】
『天地人』火坂雅志・著
兄の補佐役に徹した弟の卓越した実務能力。【豊臣秀長】
『豊臣秀長』堺屋太一・著
秀吉を自分の智謀の道具と見た「野心の男」。【黒田官兵衛】
『群雲、賤ヶ岳へ』岳宏一郎・著
秀吉とともに天下を狙った「義の男」。名軍師。【竹中半兵衛】
『軍師の門』火坂雅志・著