全国百貨店 企業別総売上高 ベスト10/全国百貨店 店舗別総売上高 ランキング トップ20

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アイストアの手法は、ブランドの垣根を越えて一つの売り場でたくさんのブランドの商品を販売する自主編集ではなく、ブランドがショップ形式で出店する箱型といえる。百貨店の売り場はかつて、先の高島屋大阪店のセーター・ブラウス売り場のような、アイテムごとに商品を集積した平場が主流だった。ところが、ブランド数が増え、客の好みが細分化するにつれ、箱型が隆盛となる。

いま、メーカー側に握られた主導権を取り戻そうと、百貨店は自主編集流行りだ。確かに、独自のテーマやコンセプトでフィルターにかけて商品を買い取り、編集して販売する売り場は、他店と差別化しやすく話題性も高い。しかし、成功例はそう多くない。

商品が売れた時点で仕入れが発生する消化仕入れが百貨店の取引の大半を占め、買い取り仕入れは現在、わずか数%。リスクを負わない取引先依存の慣習は百貨店からMDを奪った。その結果、生み出されたのが商品知識もなく、原価計算もできないバイヤーだ。

原価への知識が乏しいため、相手が提示する商品の本当の質や価値が見抜けない。結果、取引先との商談の場では数字だけが飛び交うこととなる。「値入率はこれで」と数字の話に終始すれば、商品のよさやモノ作りのプロセスなどはわかりようもない。

PB(プライベートブランド)も同様だ。取引先や商社に丸投げのパターンがほとんどで、開発に何ら関与せず、完成品を取引先に持ってこさせて、そこから選ぶだけの簡易PBも少なくない。もちろん、買い取り商品やPBだけで百貨店の売り場をすべて埋めることなど不可能だ。だが、本当の意味での「自主」を体験し、買い取り仕入れをこなせるようになれば、消化仕入れであっても消化率を上げることはできる。その逆はない。