PANA=写真
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前国土交通大臣 馬淵澄夫(まぶち・すみお)
1960年、奈良県生まれ。83年、横浜国立大学工学部卒。三井建設などを経て、2003年衆議院選挙で初当選。09年、鳩山内閣で国土交通省副大臣就任。菅内閣で副大臣再任後、10年9月に大臣就任。


 

「総理を目指す」と豪語する野心家だ。小沢一郎元代表にはものも言えない草食系議員の多い民主党にあって、馬淵氏の一心不乱な権力志向は、異彩を放っている。大手ゼネコンのサラリーマンから転身。田中角栄に憧れて土建屋を目指し、カネを貯めて政治家になろうと思っていたという、多少、時代錯誤がかった泥臭さが、その異彩ぶりをさらに際立たせる。

05年には耐震偽装問題に取り組み、国会審議の切り込み隊長として注目された。党内では現財務相の野田佳彦氏を支えるグループだったが、たびたび代表選挙への出馬を躊躇する野田氏に見切りをつけて脱退。以降、自らが代表選に出馬すべく着々と準備を進めている。その存在感をエネルギーにして国交副大臣から国交相へと一気に駆け上がった。

高速道路無料化の積極論者で理論家の側面も見せる。国交相就任直後には八ッ場ダム建設中止方針を撤回する英断を下し、来年度予算編成では「財務省支配を終わりにする」と意気込んだ。

ところが官僚たちからは「関心のあることしか一生懸命やらない」という愚痴も聞こえる。党内からは「役所の課長クラス」と揶揄する声も。

が、本人は、動じない。まめに更新するブログでは、自らの獅子奮迅の働きぶりと、けなげに支えるスタッフらの様子を臆面もなく紹介。国事に奔走する幕末志士のイメージに自らを重ねて自己陶酔しているようにも見える。

しかし、尖閣諸島での中国漁船衝突映像が流出したことに絡み参議院で問責決議が可決されたことが災いし、1月の内閣改造で外された。努力だけではいかんともしがたい政界の不条理を実感したはずだが、めげていない。発展途上だが、前向きなパワーに今後の可能性を期待する仲間も多い。