1932年以来、76期連続で増収記録を更新するジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の成長のキーワードはダイバーシティ&インクルージョンだ。 同社のアンソニー・カーターCDO(チーフ・ダイバーシティ・オフィサー)は「ダイバーシティに焦点を当てなければ、今日のような環境下では成長を遂げていくことはできない」と言い切る。

「世界は刻一刻と変化し、人口構成も多様化している。様々な組織レベルでいろんな人、世代や性別の異なる人びとの考えを集めることで次の大きなアイデアを生み出していくことが可能になる。このことを強み、価値と捉えられない企業は成功することができない。経済状況が悪く、躍動的に変化している状況であるからこそダイバーシティを組織に取り込み、活かしていくことができる企業は成功する」

J&Jのダイバーシティポリシーは明確だ。ヘルスカンパニーである同社の顧客は女性消費者や患者が多い。家族の医療の決定権を有するのは80~90%が女性という統計もある。医療に関する意思決定者である女性顧客のニーズにいかに対応していくかが戦略の根底にある。

「女性であれば医療のマーケットや市場のニーズに合った形の対応ができるのではないかと考える。そのために女性従業員が仕事をしやすい職場を創造することでイノベーションやクリエイティビティが生まれる。それによって患者のニーズに応えられるベストな製品を提供していくことができる」(アンソニー・カーターCDO)

これは性別に焦点を当てた戦略であるが、人種でも同様だ。とりわけヒスパニックは2015年までにアメリカで最も大きなマイノリティグループになると予測されている。

「会社としてどう行動するのか。1つは大変重要な消費者区分であるヒスパニックのマーケットニーズにいかに応えていくのかが課題となる。2つ目が会社の中でいかにヒスパニックの従業員数を増やしていくか。マーケット構成を反映させた形を会社にもつくっていくことだ。単に1つのグループに焦点を当てるだけではない。女性や肌の色が違う様々な人を増やし、顧客・患者の期待に応えていく従業員の構成を考えていくことが、成功するために重要なことだ」(アンソニー・カーターCDO)