女子校として東大合格者数ランキングで毎年1位を続けている桜蔭学園(東京都文京区)。ただ、卒業生の間では「東大に合格する率(学年の約3割)より、結婚生活を順調に続けられる確率のほうが低い」と自嘲気味に語られるという。どんな背景があるのか――。

26年連続で東大合格者トップ10入りを果たす唯一の女子校

女子御三家の桜蔭おういん(東京都文京区)の2019年度東京大学合格者数は66人(現役53人・卒業生227人)だった。東大学合格者数ランキングでは開成や灘、麻布などの男子校がずらりと並ぶ「トップ10」に26年連続で入っている。これは国内の女子高で唯一の快挙であり、他の女子校を寄せ付けない「モンスター級」の進学校と断言できる。

昨今は首都圏の中学入試に挑む子どもが増えている。

実際、桜蔭、女子学院、雙葉の3校とも今春(2020年度)の入試は応募者数をそれぞれ増やしている。それでは、昨年度(2019年度)までの3年間の3校の入試実質倍率(受験者数÷合格者数)を見ていこう。

この表の数字を見て意外に思う人も多いだろう。

全国女子校トップの桜蔭の実質倍率はここ3年、2倍未満とかなり低い。しかも、2019年度の桜蔭は15人の追加合格を出したため、合格者数は296人であり、本当の実質倍率は1.7倍である。数字だけで判断すれば、桜蔭は「入りやすい」ように思える。