業績不振の良品計画は原点回帰せよ

「無印良品」を運営する良品計画が2020年2月期通期の連結業績予想を下方修正した。背景には、中国経済の減速をはじめとする世界経済の変調など複合的な要因がある。

その中で注目されるのは、同社が国内外において値下げを進めた影響がありそうだ。特に新興国では値下げの影響によって、無印良品の“ブランドイメージ”が毀損きそんしたと懸念される。ブランドイメージの毀損は、企業にとって死活問題ともいえる重大な問題だ。それと同時に、同社がアジア新興国で大型出店を進めコストが増大していることもある。

写真=Imaginechina/時事通信フォト
買い物客で混雑する無印良品の上海フラッグシップ店=2015年12月12日

国内事業でも、良品計画は客単価の落ち込みに直面している。さらに、EC(電子商取引)サイトである「無印良品ネットストア」が昨年末よりシステムトラブルで再開できなくなり、メンテナンスに想定以上の時間がかかった。信頼できるECシステムは企業が消費者と良好な関係を築き、強化するために欠かせない。

今後、良品計画に求められることは、ブランドイメージの原点を見つめ、その魅力を磨いて高めることだ。そのうえで成長期待の高い新興国において消費者の支持を獲得することができれば、同社が業績を立て直し、さらなる成長を目指すことは可能だろう。