除夜の鐘と共に去ったカルロス・ゴーン

「Gone with the wind」、まさに「(除夜の)鐘と共に去りぬ」。

昨年末、日本中を驚かせる出来事がありました。日産自動車の元会長、カルロス・ゴーン氏による逃亡劇です。億単位の資産があればこそ実現できたこの一件は、いろんな意味でドラマティックでした。

写真=時事通信フォト
日本メディアの代表取材に応じるカルロス・ゴーン被告=2020年1月10日、レバノン・ベイルート

晦日みそかの国民的番組である、日本テレビ「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の放送中にそのニュースは飛び込んできました。

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聞くところによるとゴーン氏は、「楽器のケースに隠れての出国」を図ったとのこと。「楽器の使いやあらへんで!」と訴えたいところだったのでしょうか。

また「プライベートジェットを使用する際、その楽器ケースのX線チェックは受けなかったのか」という率直な疑問にも、「X線チェックは『ケースバイケース』」とでもいいたくなる、大喜利ネタのような形で年を越すこととなりました。

……すみません。ま、落語家が考えることです。以下、少し斜に構えて私なりの考えを述べてみたいと思います。

それはもしかすると、「ゴーン」というモンスターを作り出したのは、日本人の体質ではないかという仮説です。