日立製作所は、今年4月より1年間、1カ月のうち平日の1~1.5日を無給の「休日」とすることを労使で合意した。

日立製作所「無給休日」の概要
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日立製作所「無給休日」の概要

この制度のポイントは「休日」を「労使で合意」した点だ。労働基準法によると、通常、会社都合によって「休業日」を設定した場合、平均賃金の6割以上の「休業手当」を支払う義務が生じる。一方、「休日」とは労使の合意を経て就業規則で定めるものである。法的にも休日は休業日と異なる扱いになっており、手当は生じない。

こうした異例の提案が労使間で妥結したのは、雇用状況が深刻であったためだ。同社は2009年3月期決算で約7000億円の赤字を見込んでいる。平日の1日を事業所単位で休ませることによって人件費圧縮を図りたい経営側と、労働者側の利害が一致したわけだ。今年の春闘は労働組合側が惨敗し、実質賃下げが行われた。日立の無給休日もこの流れの中で生まれた「奇策」だ。

ではこの制度は法的に問題はないのか。「労使の合意があり、従業員にとって不利益な変更でなければ可能」と厚生労働省の担当者は話す。ただし、この「休日」が現在の経済状況を脱してからも続くなど合理性に欠ける場合、従業員からの訴訟リスクも孕んでいる。実際、過去に経営側の都合によって休日を設定した企業が、従業員に敗訴したという判例も存在している。

今後も「無給休日」を導入する企業が登場する可能性はある。ただし、それはあくまでも暫定的な措置だと認識しておく必要がありそうだ。