福島第1原発事故に伴う放射能漏れは、東北や東関東産の野菜に大打撃を与えた。収穫した作物が売れないだけでなく、しばらくは作付けも難しい。市場では品薄が懸念されるなか、食品商社やメーカーが目を向けたのが輸入野菜、なかでも値段の割安な中国産野菜である。

中国産野菜・果実の輸入量
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中国産野菜・果実の輸入量

取扱商品の9割以上が中国産という野菜輸入会社・京英ランド(東京都大田区)の国本龍青営業部長は「ここ2~3週間、青果市場や外食産業、加工工場からの問い合わせが増えてきた。長ネギや玉ネギ、キャベツ、にんじん、にんにくといった幅広い種類に引き合いがある。円安や出荷作業の増大による人件費アップも手伝って、価格もトン当たり50~100ドルほど値上がりしている」と話す。

外食や加工食品では受け入れられていても、一般家庭では安全面から中国製食品への抵抗があるのも事実。2008年に起きた農薬入り冷凍ギョーザ事件の影響で、財務省貿易統計を見ても、08年と09年が落ち込んでいる。しかし、この事件の犯人は加工食品。野菜や果物に関しては農林水産省の植物検疫、厚生労働省の残留農薬検査に通らないと輸入ができないことから、安全性は担保されていると見ていい。

今後を見通すポイントは国産野菜の供給がどこまで回復するかと、低価格が継続できるかどうかだろう。国本氏も「震災後ひと月を過ぎて、たとえば玉ネギ10kgの卸売価格は、国産2100円、中国産700円と3倍の開きがあり、消費者には大きな魅力のはず」と話している。

※すべて雑誌掲載当時