フルタイムで働いても年収は160万程度

全国の自治体で増えている「非正規公務員」に注目が集まっている。公務員と言えば、まずクビになることがないうえ、民間企業以上の待遇が保障されている「人気職業」だが、同じ公務員でも「非正規」となると、待遇に雲泥の差があるというのだ。

写真=時事通信フォト
緊急特別相談窓口を訪れた求職者(手前)らに対応する職員(東京・墨田区のハローワーク墨田=2008年12月29日)

総務省が行った最新調査では、2016年4月1日現在で全国に64万3131人の「臨時・非常勤」の職員がいるが、報酬は驚くほど低い。例えば、「一般職非常勤職員」として事務補助に就いている職員の平均時給は919円、「臨時的任用職員」だと845円だ。その時点での最低賃金は全国加重平均で798円(東京都は907円)だから、最低賃金並みの報酬だ。

しかも、全体の3分の1である20万2764人はフルタイム、さらに20万5118人は正規の4分の3以上の時間、勤務している。公務員の所定の労働時間は年間1850時間程度とされているから、フルタイムで働いたとして、臨時的任用職員だと平均で160万円程度の年収にしかならない計算になる。

一方、総務省の調べでは全自治体の平均給与月額は40万円余りなので、ボーナスを含めると660万円になる。その格差たるや歴然としている。しかも、仕事の内容は正規の職員と大きく変わらないケースもある。